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12月20日 庄原市公契約条例が成立

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庄原市議会は12月20日、議員提案による「公契約条例」を賛成17,反対2の多数で採択しました。
民商を始め、建設労働組合や連合、地域労連などの働きかけによって議会が独自に視察や調査を行い、3年前の3月議会で庄原市に対して公契約条例の制定を求める決議を採択しました。しかし庄原市は「労働関係法制は国が整備することが基本」「庄原市が独自に制定しても効果が薄い」などとして制定に対して消極的な態度を続けていました。
議会はたびたび市の消極的な姿勢を批判、やっと2017年になって「公契約条例検討委員会」を設置して検討を始めました。しかし、諮問委員会や検討会議は行政の意向に沿った結論を出すためのアリバイづくり的な性格であり、予想されたとおり検討委員会は8月28日「条例の必要性はない」との答申を市長に行いました。
議会は「理念条例を定めることによって市民に制度を広く周知するとともに、公共事業・公共サービスの品質向上、事業者等の経営の安定及び公契約の履行にかかる作業に従事する労働者等の適正な労働条件の確保を図り、もって、地域経済及び地域社会の健全な発展に寄与することとなると信じる」と提案理由を述べ、採決に至りました。
今回成立した条例はまさしく理念を定めたものであり、その内容を豊かにしていく責任は私たち市民や事業者にあります。中身をしっかりと学習し、安心して商売ができるような規則や規程を作らせていきましょう。

庄原市における公契約の基本を定める条例
平成30年12月20日成立

(目的)
第1条 この条例は、公契約に係る基本的な事項を定め、市及び受注者等の責務を明らかにすることにより、公共事業・公共サービス(以下「公共事業等」と    いう。)の品質向上、事業者等の経営の安定及び公契約の履行に係る作業に従事する労働者等の適正な労働条件の確保を図り、もって、地域経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする。

(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1)公契約 市が締結する工事、製造その他の請負契約、業務委託契約、指定管理者の選定等をいう。
(2)受注者等 公契約を受注する者及び市以外の者から公契約に係る業務の一部を請け負い、又は受託する者をいう。
(3)労働者等 次のいずれかに該当する者をいう。
ア 労働基準法(昭和22年法律第49号)第9条の労働者であって、受注者等に雇用され、公契約に係る業務に従事する者。ただし、同居の親族のみを使用する事業又は事務所に雇用される者を除く。
イ 自らが提供する労務の対価を得るために公契約に係る業務を請け負い、又は受託する者

(基本方針)
第3条 市は、次に掲げる事項を基本として、公契約に係る事務を実施するものとする。
(1)公契約の適正な履行及び公共事業等の良好な品質を確保すること。
(2)公契約の過程及び内容の透明性を確保すること。
(3)適正な競争を促進し、談合その他の不正行為の排除を徹底すること。
(4)労働者等の労働条件に配慮すること。
(5)地域経済の発展及び健全な地域社会の実現に配慮すること。

(市の責務)
第4条 市は、この条例の目的を達成するため、適正な公契約に関する取組を総合的に実施するものとする。

(受注者等の責務)
第5条 受注者等は、この条例の趣旨を踏まえ、公契約に係る市の取組に協力するよう努めなければならない。
2 受注者等は、公契約に携わる者として社会的な責任を自覚し、法令を遵守するとともに、契約を適正に履行しなければならない。

(市内事業者の受注機会の確保)
第6条 市は、予算の適正かつ効率的な執行に留意するとともに、地域経済の健全な発展、地域コミュニティの維持及び発展並びに地域における防災の体制維持及び向上を図るためには、市内に事務所又は事業所を有する事業者(以下「市内事業者」という)の持続的発展が不可欠であることを鑑み、市内事業者の受注の機会を確保するよう努めるものとする。
2 受注者等は、下請負人を選定し、又は資材等を調達するときは、地域経済の健全な発展に配慮し、市内事業者を活用するよう努めなければならない。

(情報の公表)
第7条 市は、市民への説明責任を果たすとともに、不正行為の未然防止を図り、適正な公契約が行われていることを明らかにするために、公契約に関する情報の公表に努めるものとする。

(契約方法)
第8条 市は、公正な競争環境の下で、契約の性質又は目的を踏まえた適正な契約方法を活用するために必要な措置を講ずるものとする。

(発注の平準化等)
第9条 市は、事業者等による計画的な雇用の確保に配慮し、公契約の性質又は目的に応じて、特定の時期に集中しないように計画的に発注を行うとともに、適切な契約期間を設定するよう努めなければならない。

(適正な労働条件の確保)
第10条 受注者等は、労働基準法、最低賃金法(昭和34年法律第137号)その他の関係法令を遵守し、労働者等の適正な労働条件の確保に努めなければならない。
2 市は、特に必要があると認めるときは、受注者に対し、前項の労働条件の確保について報告を求めることができる。
3 市は、前項の報告を受け、必要があると認めるときは、関係機関等と連携し対応するものとする。

(下請負人との契約)
第11条 受注者等は、建設業法(昭和24年法律第100号)、下請代金支払遅延等防止法(昭和31年法律第120号)その他関係法令を遵守するとともに、労務費その他の経費の内訳を明らかにした見積りを基に、自己以外の下請負人との対等な立場における合意に基づいた公正な契約を締結するよう努めなければならない。

(品質の確保)
第12条 市は、公契約の適正な履行及び公共事業等の良好な品質並びに労働者等の適正な賃金を確保するため、適正な積算根拠に基づき、予定価格を算出するものとする。
2 受注者等は、公共事業等の良好な品質の確保に努めなければならない。
3 受注者等は、公契約を履行するに当たり、適正な履行体制を確保しなければならない。
4 市は、特に必要があると認めるときは、当該公契約の受注者等に対し、前項の履行体制について、調査を行うことができる。
5 市は、前項の調査の結果、是正が必要であると認めるときは、必要な措置を採るべき旨の指導を行うことができる。

(意見聴取)
第13条 市は、公契約に関する取組を適正に行うために必要があると認めるときは、学識経験者、事業者その他関係団体等の意見を聞くことができる。

(委任)
第14条 この条例に定めるもののほか、公契約に関し必要な事項は、市長が定める。

附則
この条例は、平成31年4月1日から施行し、同日以後に公告その他の申込みの誘引が行われる公契約について適用する。

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